なぜ、こうしたものを使わなくてはならないかというと、利益を確保するだけでなく、客がタダだと思っているものでも、実は工務店が負担している部分が少なくないからだ。たとえば、設計料。メーカーや工務店に家を頼む場合、設計料はタダだと思っている人が多い。だが、これはタダなのではなく、他の費用に上乗せされて、設計料という名目では取られないだけだ。なぜなら、まだ日本では、設計だけにお金を払うという発想がポピュラーではないからだ。
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だが、メーカーが設計図を設計事務所に発注する場合、ケースにもよるが一軒150万円前後が相場。こうした設計図だけで食べている設計事務所もある。だから、その金額はどこかに上乗せされるのだが、施主の気分を損ねないために表向きはタダということになり、他に不自然さがないように上乗せされる。設計料だけでなく、営業マンの人件費も、年間に1〜2億円かかるモデルハウスの維持・管理費も、立派なパンフレット代も、そして肝心の儲けも、結局はいろいろなところに広く上乗せされている。こうしたものを堂々と請求すると、施主が怒るからだ。だから、自然と明瞭価格ではなくなるというわけだ。だが、いざ自分で家を建てて、すべての価格を明瞭に把握してみると、本当に安い家というのは、個人ではなかなか建てられないのだということを思い知らされた。
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